寝具の歴史 7-2 昭和(1926年~1989年) 

ベッドが普及してくるのはいつぐらいだったのでしょうか?

 

国内の老舗のベッドメーカーの創業を見てみると、日本ベッド が、1926年(大正15年) 、フランスベッド が1949年(昭和37年)、セブンベッド が1965年(昭和40年)、貞苅産業(タタミベッド製造 ) 1960年(昭和35年))となっています。日本初のベッド製造の日本ベッドは別として、ほとんどが戦後からさらに20年後の昭和40年代前後です。ドリームベッドが 1950年(昭和25年)に創業していますが、ベッドの量産を始めるのは、1960年(昭和35年)代後半です。アンネルベッドは、創業 昭和9年ですが、昭和44年に2段ベッドを量産し始めますが、今の社名(旧社名石田木工所)になり、ベッドの量産を開始するのは、昭和46年だそうです。

2段ベッドのほうが、ベッドよりも先に普及していったようです。昭和3年に設立された昭和曲木工場(現マルニ)が、1962年(昭和37年)に木製2段ベッドを量産し、大ヒットしました。 高度経済成長期のなかで、子供部屋が一般家庭でも作られるようになり、布団を敷きっぱなしで、省スペースな2段ベッドは、日本中に受けいれられたようです。

当時の2段ベッドは、敷ふとんに合わせたサイズで、今もほとんどの家庭がそうであるように、2段ベッドには、ふとんを敷いて寝ていました。 近年になって、子供部屋を1人1人に与えることが広まる中で、上下別々に使用できて標準シングルサイズのベッドマットレスがはいる様に、現在の規格になっていきます。

ベッドの普及率は内閣府の消費動向調査を見ると、昭和40年14%、平成16年 60%です。それ以降普及率調査の対象から外れたので、正確な数字は判りませんが、現在は相当な普及率になっていると思われます。

創業昭和25年の当社で、2段ベッドやベッドを販売し始めたのは、昭和40年はじめごろだそうです。当時からの社員に聞くと、当時は、2段ベッドはよく売れていたけれども、ベッドは、お嫁入り道具としてダブルベッドを買われる場合はあっても、シングルのベッドを買う方はしばらく少なかったそうです。