日本のベッド市場は、1970年(昭和45年)大阪万博、 「日本列島改造論」 の田中内閣発足の70年前半の日本の経済高度成長期を経て拡大しはじめ、 2004年(平成16年)頃になって日本のベッドの普及率は、ようやく60%を超えてくる。

日本初のベッド製造会社は、日本ベッドで、英国に渡り、「ベッドで眠る」 素晴らしさに感動し、日本の生活に持ちこみたいと考えた宇佐美竹治が1926年(大正15年)に 「日本羽根工業社」 (日本ベッドの前身) を創業した。

ポケットコイルが、まだ開発されていない頃なので、当初は、大きいスプリングを使った連結型のマットであったであろうが、近年は、日本ベッドは、ポケットコイルマットレスのみを製造している。

昭和の初めに国産羽根ふとんをつっくったのも日本ベッドであったそうだ。 

当初より皇室や迎賓館、帝国ホテルなどにベッドを納め、現在も一流ホテルのほとんどに導入されている。 1955年(昭和40年)前後になって、フランスベッドやドリームベッドなど、多くのベッドメーカーが創業やベッドの生産を開始している。

各社が、様々なベッドやソファーベッドを改良開発をつづけ、ベッドは、庶民に手の届くものになっていった。 

かつては、一部の裕福な家庭でしか使えなかった布団やベッドなど、その時代において一番快適な寝具が、ほとんどの家庭で使うことができるようになったというのは、本当にすばらしいことだと思う。自身の記憶では、40年代初めの小学校の保健室に置いていたのは、藁がつまったボタン締めのマットレスで、上にふとんを敷いていた。

昭和50年にベッドを買ってもらうまで、綿のふとんを出し入れして寝ていたし、ベッドのマットレスが固かったため、昭和の終わり頃まで、マットレスの上にふとんをのせていた。

現在は、ポケットコイルのマットレスにベッドパッド、ボックスシーツを敷いて寝ているが、 改めて、この50年の変化のスピードに驚かされる。