リビングやダイニングで学習というお家が増えてきました。
数年前から、『リビングやダイニングで勉強させたほうが成績が良い』とか『東大生の半分ぐらいは、リビングやダイニングで勉強していた』などの話をよく聞きますよね。 最近の調査では小学生の70%以上が、中学生でも半分前後がLDで勉強しているそうです。 最近になって大きく変わってきたのでしょうか? 周りの人に聞いてみると、年齢にかかわらず、学習机はあったけれども、居間やキッチンで勉強していたという人は多かったです。昔から居間(茶の間)で勉強していた人はきっと少なくなかったようです。(だとすれば、『東大生の半分ぐらいがLDで勉強していた』というのは、東大に入学できたのがリビング学習が要因だという結論にはならないのですが・・・話が逸れました・・) 高校生になっても、『時々はLDで学習することがある』という人は3分の1ぐらいいるようです。 『ほとんどすべてのお家で、小学校入学時に学習机を買う』という時代が終わったのでしょう。今、親になっておられる方で、ご自分の小学生のころに余り学習机の前には座らず、LD・茶の間ですませていた経験をお持ちの方が多いのではないでしょうか。 そういう経験をお持ちの方が少なからずおられ、 今や1年生で学習机を持っていないと子供の肩身が狭いなんていう時代ではなくなったこともあり、小学校入学時に限定せずに学習机を購入するようになってきました。
リビング学習の方が良いのでしょうか?
『リビング学習』のメリットとデメリットと言われていることをいくつかあげてみます。
メリット
① リビングやダイニングで勉強をすると、お家の人の目が届くので、お家の人も安心だし、子供も家族の目があることで程良い緊張感をもって学習できる。子供の変化に早く気づくことができる。
② リビングの様々な生活の音の中で集中するくせをつけることで、多少雑音があっても気にせず集中できる力をつけることができる。
③ 昔と違い、テレビや電話のない部屋でもスマホやパソコンでゲームや漫画で遊べるので、勉強する習慣がまだまだ身についていない小学生が、勉強以外のことばかりしていないか、宿題はできたのか・・・など見守ることができる。子供が何が苦手で何が得意なのかをつかむことができる。
④ 子供がわからないことがあったときに、すぐに聞ける。
⑤人の集まる部屋で勉強することで、会話が増えてコミュニケーション力が上がる。
デメリット
① 近い場所で見ているので、お家の人がついつい口を出したり叱ったりして子供のやる気をそいでしまうことがある。逆に、忙しいときにいろいろ聞かれ面倒な時がある。
② 勉強している子供の横では、テレビを見たくても見られない。複数の子供の場合、兄弟も親も、リビングでくつろぐのに気がねしないといけないことがある。
③ ダイニングテーブルの場合、食事の用意をしにくい。消しゴムのカスや文具ががテーブルに散らかる。消しゴムで消す時テーブルが揺れる。
④ テーブルの高さや椅子の高さが合わず、姿勢が悪い状態で勉強している。
⑤ ダイニングルームやリビングルームの照明では、明るさが足りず目を悪くする。
子供さんの性格や、お家の間取り、家族構成、ライフスタイルなどにより、『リビングで学習』なのか、子供部屋で学習なのかは、子供さんとお家の人とで決めていくべきことで、どちらが絶対正解というわけではないように思います。また、家族構成や子供さんの成長につれて変化させていくべきものではないでしょうか。
リビング学習では、どの様なことに気をつければ良いでしょうか?
デメリットを改善すれば良いですよね。上のデメリットの①から⑤についてまとめてみます。
① なかなかむづかしいのでしょうが、口出ししすぎない、面倒くさがらないというのを心がけましょう。
② 部屋の間取りにもよるでしょうが、それぞれがTVの音も含め、少しずつの雑音を気にしないようにする・・・、または、家族で優先事項や時間帯の約束事をするとか・・・でしょうか。(TVを聞きながら・・とかラジオを聞きながら・・のほうが集中するという人もいます。)
③ どっしりした(揺れない)広めのダイニングテーブルにする。 リビングテーブルで座って勉強してもらう。 リビングやダイニングルームに、LDテーブルとは別の子供用の学習用の机を置く。カウンターやカウンターテーブルを利用する。 子供さんがかたづけやすいランドセルラックやおかたづけラックなどの子供さん専用の収納スペースをつくってあげる。
④ ダイニングテーブルもリビングテーブルも大人の平均身長に合わせた規格なので、ダイニングテーブルの場合、座面の高さや奥行が身長に合わせて調節できる椅子にする。 または、椅子はそのままでという場合、背中にクッションなどできちんと背中がのびるように調節する、座面と足の下に踏み台のようなものをおいてあげる(知人で電話帳を置いている人もいました。)と姿勢は悪くなりにくいです。 テーブルに腕をおいて肩と肘と手先の角度が直角ぐらいが作業をしやすい高さです。足はひざを直角にして足の裏がきちんと床につくぐらいが、よい姿勢です。ダイニングテーブルやリビングテーブルと別にLDに置けるようなコンパクトなデスク(組み換えしたり広げたりできて大人まで使える机が多く販売されています。)を置いてあげる。
⑤ 移動できるような手元を照らす照明を用意された方が良いでしょう。最近の学習机の照明は、取りはずしができるものが大半で、ほとんどが照明のみの販売もできるようになっています。
小学校入学の時に学習机を揃えるかどうかも、お子さまの性格や、それぞれのお家の間取りによって様々な選択があるものです。 学習机は、子供にとっては自分だけのお城みたいな感覚でうれしかったり、自分の好きなコレクションを飾ったりして創造力が膨らんだり・・・などのワクワクと心惹かれるものです。最近の子供用デスクは、大人まで使えるようなシンプルなデザインで、最初はLDに置ける様な小さいデスクであって、組み替えたり拡張したりして置き場所や使い方のニーズに合わせて変化させられるタイプも多く出ています。そういうデスクを見たり、大人用のパソコンデスク、あるいは1人用のこたつや、折りたたみの座用テーブルなど、学習デスクに限らずいろいろな家具を見ながら、楽しんで、我が家にぴったりのお子様の学習スペースをデザインしてみて下さい。