奈良時代(710年~8C末)平安時代(8C末~1180年頃)
奈良時代には、置き型のベッドがあったようです。それは、聖武天皇の遺品で、現在も保存されているというのでびっくり!です。現存する日本最古の木造建築である正倉院にあります。なんと、約1600年前のものです(下画像)。
すのこベッドのような御床は2台あり、日本に現存するものとしては、最古の置き型ベッドだそうです。
この時代の貴族たちは、このような床の上にムシロや色々な材料の敷物をを重ねざしににしてほつれないようにはしをとめてある形状の畳(下画像)を置き、座具としても寝具としても使用していたようです。またその畳は、畳んだりまるめたりして、保管・持ち運びしたそうです。
写真 正倉院展より
かけ布団は、麻布や真綿(絹)などを綴じ合せた長方形のふすまといわれるものを使用していたそうです。
平安時代にはいると貴族の寝具はどのようにかわっていったのでしょうか。
源氏物語絵巻の中に、広口の袖がついた中に真綿(絹の繊維綿)を詰めていると思われる宿直物(とのいもの)・直垂衾(ひたたれふすま)というのが出ています。着物型のふとんのようなもの(後に広まる夜着やかいまきのルーツ?)で、寒さよけにはおったり、くるまって眠ったりしていたようです。長方形の衾(ふすま)も使われ始めているようですが、どちらも、裕福な貴族でないと所有できない、相当高価なものであったようです。
庶民は、どうだったのでしょうか? 寒い季節には、土間にむしろのを敷いたり、かけるものとして麻布を継ぎ合せ綴った麻衾(あさぶすま)などを使っていたようですが、弥生時代とあまり変化ししなかったようです。
万葉集の歌に「ころもかたしきひとりかもねむ 」などと詠まれています。これは、昼間身に着けていた衣服を脱いで、その片方を下にしき、片方をくるりとまいて、さびしく一人眠る様を詠んだそうです。この時代には、寒くない季節には、裸に近い状態で着衣をしいたりかけたり、あるいは、着たままごろりと寝ていたようです。貴族と違い、庶民は高床ではなく、土間の上です。おおらかな感じですが、冬は寒かったのでは? 今より寒さに強かったのでしょうね・・・。